“ライフラインの復旧度”を
どのように感じているのか?

ライフラインによる被害は、供給が停止した大まかな地域や被害戸数などはこれまで把握されてきましたが、具体的にどのような地域でどのような不便があり、それがいつまで続いたのかについては明らかになっていませんでした。そこで、“被災者の実感"から見たライフラインの復旧過程を把握するための調査が行われました。
 
災害によって損害を受けたさまざまなライフラインは、当然ながら復旧の速度がそれぞれ異なります。復旧率を見てみると、発災時点はどのライフラインにおいても8割前後の人が不便を感じていました。
電気は、災害発生から10時間以内(フェーズ0)に50%まで復旧していましたが、電話の場合は、同じく50%復旧するのに10〜100時間以内(フェーズ1)を要しています。また、トイレ(下水)・水道・交通機関・ガスに関しては、すべて100〜1,000時間以内(フェーズ2)となっています。
さらに、ライフラインの被害率や復旧過程は、「震度」によって速度が異なります。例えば「震度7」の場合、発災後の被害率はどれも9割を超え、電気・電話が10〜100時間以内(フェーズ1)、トイレ・水道・交通機関が100〜1,000時間以内(フェーズ2)、ガスが1,000時間以降(フェーズ3)でした。また、使用可能率が50%を超えたあとの回復過程が遅い傾向にあります。
 
災害においては、「家屋の被害程度」に関心が集まりますが、例え家屋に被害を受けていなかったとしても、長期に渡ってライフラインを利用することができなければ、通常の生活を送ることはできないのです。

POINT

  • 電気は10時間以内、電話は10〜100時間内に、
    トイレ・水道・交通機関・ガスは100〜1,000時間のフェーズにおいて
    50%の使用可能率となる

Data.05

[ライフラインの復旧過程]

まちのデータ一覧

>他のカテゴリを見る