災害発生後、被災者は
どこへ“避難”しているのか?

災害発生後、多くの被災者が【避難所】へ向かうと考えられていますが、実際には血縁・地縁・友人などさまざまなつてを頼りながら転々と移動している傾向が見受けられます。
 
「被災直後(フェーズ0)」に実際に【避難所】に行くのは、全体のわずか15.6%。約6割が【自宅】に留まっています。また、被災後から「2〜4日(フェーズ1)」のタイミングでは、【避難所】と同程度の割合で【血縁宅】(13.9%)へと避難。以後「約2ヵ月(フェーズ2)」までの間に【血縁宅】にいた約半数が【自宅】へと戻り、残りはさらに【血縁宅】に留まるか、アパートやマンションなどの【賃貸住宅】を借りています。
 
注目すべき点としては、被災後2ヵ月以降(フェーズ3)の【避難所】からの移動の傾向についてです。実は、約7割が【自宅】へと戻り、残りが【賃貸住宅】(15%)と【仮設住宅】(12%)へと移転していました。つまり、この時期に避難所を利用している被災者というのは、大多数が「自宅再建を目指すために留まっている人」であり、仮設住宅の完成を待つ「仮設住宅の入居者予備軍」ではないことを意味しています。

POINT

  • 被災後2〜4日(フェーズ1)は、約6割の被災者が【自宅】に留まっていて、
    【避難所】の利用者は2割にも満たない
  • 【友人・近所】を頼るのは被災後「2〜4日(フェーズ1)」までの間で、
    この時期を境に【避難所】からの移動も増加していく傾向がある
  • 仮設住宅の完成以降、どの時点においても【仮設住宅】より
    【賃貸住宅】にいる被災者の方が多い傾向となっている

Data.02

[被災者の避難場所の変遷]