生活再建は、“景気”にどの程度
影響を受けているのか?

「被災者視点」に立った復興を考える上で最も重要なことは、目に見えるまち並みを再建することだけでなく、被災者自身の【生活再建】を支援することにあります。しかし、これだけを単体で取り上げ対応策を考えても、再建を成し遂げることはできません。なぜなら、【復興のモデル】で紹介した通り、【都市再建】に加えて、【経済再建】の実現があって初めて【生活再建】も可能になると考えられているからです。
 
そこで、【生活再建】と【経済再建】の関連性を検証するために、被災者一人ひとりの復興度合いを測る「生活復興感」の“定量化”を試みました。それが、復興の完了を示す『生活復興感尺度』と呼ばれるもので、「生活充実度」「生活満足度」「1年後の生活の見通し」の3つの側面を、14の項目によって得点化する指標となっています。
 
調査は、2001年から05年までの間に計3回実施され、5年間の生活復興感の推移をグラフ化しています。それを、同時期の『日経平均株価』の推移グラフと照合してみると、生活復興感が景気動向に合わせて見事に重なることがわかりました。
このように、被災者視点の復興を達成するためには、被災地だけの対応だけでなく、経済全体の景気動向も含めて注意する必要があります。

POINT

  • 被災者の『生活復興感尺度』と『日経平均株価』には高い相関関係がある

Data.13

[生活復興感尺度]
[生活復興感と日経平均株価との関係]