被災者が切り詰める
“支出項目”は何か?

震災は、家計にどのような影響を及ぼすのでしょうか。家計に関する主な支出費目ごとに、「増えた」「変わらない」「減った」のどれにあたるかの傾向を分析してみると、「ふえる一方」型と「やりくり」型、「けずる一方」型という3つのタイプに費目に分類されます。
 
「ふえる一方」型タイプの主な支出費目は、【住居・家具費】と【医療費】です。家屋の被害程度が大きい人ほど支出が増加し、家計状況に変化があったとしても、個人のやりくりでは減らすことができないのが特徴です。
「やりくり」型に相当する支出費目は、さらに細かく3つに分類されます。一つ目は「やりくりをして支出を減らした」もので、【交通費】【食費】【日用雑貨】【文化・教育費】がそれにあたります。一方、「やりくりをしても支出が増えた」ものは【保険料】と【光熱費】、「支出の増減がほぼ拮抗した」ものは【交際費】でした。
節約費目の代表である【レジャー費】は、「けずる一方」型の主な支出費目になりますが、2005年の調査時では【衣服費】もこのタイプに分類されました。つまり、震災から10年経過してもなお「贅沢は敵」という意識が働いており、“生活の潤い"を担う部分を切り詰めていく傾向が見受けられます。

POINT

  • 被災者は、“生活の潤い"を担う【衣服費】【外食費】【レジャー費】などの
    支出を切り詰める傾向がある

Data.14

[家屋の被害程度別支出パターン(支出細目別)]